金利と不動産相場の関係
2013年1月から日銀が取った「量的・質的金融緩和」政策。
物価の安定目標として前年比2%の上昇率をなるべく早く実現するとして、様々な施策を打ち出したものの、2016年から金利のYCC(イールドカーブコントロール)を導入しましたが、2021年3月に許容変動幅を0.25%、2022年12月には0.5%に変更する事実上の利上げを行いました。
経済事情によっては、インフレーション「景気が良い→物価が上がる→金利が上がる」とは限らず、景気が悪くても物価も上がってしまい金利も上がる(スタグフレーション)ということもあます。
今回は、日銀が歪めすぎている国債市場の自由度を高めるためであり、インフレーションによるものではないということです。
そして、、、金利が上がると不動産相場はどうなるのか??
一般的に不動産が融資を受けて流通するという商品である以上、「金利が上がる=不動産相場は下がる」という相関関係にしかなりません。
現在の不動産市況が活況な理由は大きく3つあります。
1.マネーサプライ(市場資金残高)の上昇(いわゆる金余り)
2.相続税増税による節税目的の需要増加
3.YCCによる金利低下
これらの中で金利低下から影響を受ける更なる理由として以下の3つあります。
・円債権の利回り低下によって不動産が相対的に高利回りになった
・外貨との金利差によって円安が進行し、海外資金が流入した
・銀行融資の金利が下がって実質負担が減るので購入資金が借りやすい
資金の向かう先が不動産に集まることは肌感的にもご理解いただけると思います。
YCCが不動産相場に与える影響は、とても強大ですから逆にこの政策に変化があると不動産相場にも大きく影響を与えます。
金利が市場原理に委ねられた際には、少なくとも今よりは金利が上昇します。
物価上昇率が2%になった場合、ニュートラルな長期金利は0.8%~1.2%くらいでしょうか。
仮に5000万円の住宅ローンで言うと、金利が0.3%上がると1ヶ月当りの金利が12,500円も増えます。
1年ではなく1カ月で。
同様に1%変わると月々4万円以上も増えることになります。
同じ収入では同じローンは組めませんよね?
ということは!もうお分かりだと思いますが、答え合わせしましょう。
金融政策が変更されて今よりも金利が上がると不動産相場は下がります。
不使用不動産をお持ちの方は、金利による市場の向かう方向(トレンド)を予測してみるのも一考かと思います。
2023年03月07日 18時19分 - 早川