マイナス金利から5年 どうなる資産価格 資産整理のタイミング
マイナス金利から5年 ~どうなる資産価格、資産整理のタイミング~
2016年2月に日銀が導入したマイナス金利政策。
銀行が余剰した資金を日銀へ預けると逆に金利を取られるというものです。
資金を市場に行きわたらせて、設備投資や購買意欲を活性化させて物価を上げようというものですが、5年経った今も目標の2%には遠く及ばない状況。
そうこうしている間に世界中がコロナ禍に見舞われ、各国の中央銀行が一斉に金融緩和に乗り出すという政策に傾いたことから、マネーサプライが急増して「金余り」の事態になりました。
顧客様から「不動産は下がるのかな?」「景気は悪くなるだろう」という声を聞くと、確かに相当な業種で需要が消滅しており、赤字まみれの経済で不動産価格が維持または上昇できるとは考えられません。基本的に資産価格は下がると思っています。
今回の場合、オフィス賃料や単身居住用マンションに大きな下落が起きてから、事業用不動産、新築戸建て、新築マンション、中古住宅…という順に下落が始まると考えていたのです。
ところが、現時点ではオフィス空室率が急増し、オフィス賃料も下落基調なものの、それ以外の資産価格には大きな変動が見られません。
都心の一部のエリアのマンションでは値上がりが続いている状況です。
世界中で急激に放出された資金によって、株、暗号試算、そしてリスクオフ時の代名詞である金(地金)まで値が上がる状態になっています。
ひょっとすると不動産も、資金がじゃぶじゃぶで貨幣価値が下がったことにより、価格の額面は値下がらないのではないか?という疑念も頭をよぎります。
そうなると現金(預金)が一番価値を下げることになりますね。
ワクチンや特効薬の開発により世界中の情勢が安定すると、金融緩和が少しずつ正常化されていき、コロナ融資の返済が始まる3年後あたりに急落する恐れもあります。
今後、長期的には日本の人口減による経済の縮小は避けられないことから、不要な不動産の整理は早めに検討しても良いのではないでしょうか。
現時点で売却を検討中のクライアントには、7月の下落した路線価発表までに成約を目指しましょうとご提案しています。
2021年02月19日 10時15分 - 早川