相続登記を義務化?
所有者不明不動産への対策として、登記を義務化しようという議論が始まっています。
そもそも、不動産を取得したら登記をして権利を保全する(守る)ということは当たり前のように思えます。
ただ、それは不動産に一定の価値がある市街地に限っての話。
日本国土の7割近くは山林になっており、そのほとんどに市場価値がありません。
相続の時にわざわざ登記をしても利用価値、資産価値が見いだせない不動産はたくさんあります。
ただ、意図的に登記しない以外にも、相続財産であることを知らないというケースがあります。
「そんな~、不動産持ってて知らないなんてことあるの?」と思わる方もいると思いますが、固定資産税が課税されていないと、所有の認識がないのは実際にある例です。
固定資産税には、免税点があり、各課税自治体(市区町村)単位で同一人が所有する不動産の価格が土地30万円、家屋20万円に満たない場合には税金が掛かりません。
税金を徴収する費用よりも税額が低いからでしょうか…?
でも、所有者不明地の調査で莫大な税金を掛けるなら、100円でも1000円でも簡易的な方法で徴収する方が所有の意識が高まって相続登記も増えるのではないかとも思います。
しかし、要らない土地を相続してしまって、困った相続人への救済措置も整備すべきでしょう。
兵庫県の内陸地の相続財産整理をお手伝いしたときに、どうにも不要な山林が含まれていていたので、市役所や町会のような自治体に寄付したいと申し出ましたが、どこも引き取ってもらえずに相続登記した経験があります。
相続人のない財産は国庫に入るという原則からすると、引き取ってくれても良い気がするのですが、管理責任や隣地境界線などの不明瞭なものは受け取らないという方針なようです。
土地バンクの整備の一環として、民間の不要地を引き取る制度も定めて欲しいものです。
皆様の中にも先祖名義の土地で相続登記が未了なものがあるかもしれません。
リニアモーターカーの通り道になって、高額で買い取ってくれたりして…と思うと面白いですね。
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201802252112561519560776.pdf
2018年02月25日 21時10分 - スタッフ