共有物分割 一部売却 買い換えずに新築。

売却相談の主旨
相談者は、金属加工を営むご兄弟
住宅街でかなり古くなってしまった工場併用住宅と隣の駐車場を売却して、その代金で同エリアに買い替えをしたい 土地建物は親が戦後に取得したものを相続により兄弟が1/2ずつ所有しており、併用住宅には独身の弟が住んでいる状況 弟は未婚で、将来的にも予定が無いため、相続発生時の遺産は兄の相続人に相続させる意向
住宅街でかなり古くなってしまった工場併用住宅と隣の駐車場を売却して、その代金で同エリアに買い替えをしたい 土地建物は親が戦後に取得したものを相続により兄弟が1/2ずつ所有しており、併用住宅には独身の弟が住んでいる状況 弟は未婚で、将来的にも予定が無いため、相続発生時の遺産は兄の相続人に相続させる意向
問題点
- 金属加工に使える建物条件が難しく、新たに建てるには予算が足りない
- 騒音の大きい金属加工業が移転できる環境と従前の生活圏が合わない
解決案の提案
共有物の分割をおこなって駐車場を兄が所有、併用住宅の敷地を弟の所有とし、 その後に併用住宅を取り壊して敷地を売却し、その代金で兄の所有する駐車場に弟が工場併用住宅を新築する。駐車場は近くに借りることになるが、運搬車が停めやすいように搬入口を配置してスムーズな出し入れができるようにする。
効果
- もともとの土地に工場を建てて稼働することから、新たに移転するよりも騒音で近隣とトラブルになるリスクを回避できる
- 弟が住んでいる建物のある土地を弟の単有にしてから売却するため、住宅面積の割合部分は、自己居住用住宅3000万円控除を受けることで譲渡所得税を節税できる
- 土地の売却が半分になり仲介手数料など売却経費を削減でき、買い換えしないので購入時に掛かる経費も削減できました。
最終的な取引実例
新たな課題となる建て替え中の工場移転先や弟の仮住まいを見つけ、併用住宅と駐車場を分筆してから共有物分割によって、それぞれを兄弟の単独所有になる登記を行いました。 古い工場を解体してから分譲住宅業者に売却し、その代金で弟が兄の駐車場に使用貸借にて工場併用住宅を新築して使いやすいオーダーメイドの工場で事業を再開することができました。 新築の際に、住宅と工場のライフラインを切り分けておき、老後に工場を閉鎖した後は、工場部分を貸し出すことで弟が老後の生活費を増やすことができるようにアドバイスしました。 兄は、弟に土地を使用貸借して工場併用住宅として使わせる代わりに、弟の相続発生時には自分または相続人が建物を得ることができるので、双方がウインウインの納得できる取引となりました。